楽筆教室は自分の個性を発見、確認する場所です。
最近教室で生徒さんの作品を見てて感じてることがあってね、それは一人ひとりの作品の個性、僕の教室ではお習字でいうお手本はありません。全てが自分自身、その人の個性がが全てなのです。隣の人の書いてるのを見て比べたり、真似たりすることは全く必要なく、いかに自分の個性を発揮して作品として見せるか、その書き方と見せ方を分かりやすく説明しています。
文字自体にはその人の個性がほっといても出てきますから、あとはまとめ方なんです。ただ自分自身の個性を分かっていなかったり、人と比べてしまう癖がぬけなかったり、そこに気がつけばもうしめたものなんです。
先日、ある高校で生徒さんに僕の楽筆を教える機会があってね、皆さんに味のある文字、つまり個性を生かした文字の書き方をお話しました。初めに今まで習ったお習字や自分の書き方で自由に書いてもらい、その後で僕から5つのポイントを説明してさらにもう一枚書いてもらいました。2枚書いて両方を見比べる、と、一枚は今まで書いたことのないような作品になっていました。それも一人ひとりの個性がはっきり表れた作品です。僕よりも生徒さん自身が驚き、大喜びでした。授業の最後に生徒さん一人一人の感想を聞いた時、僕はこれはたくさんの人に体験してもらいたいと自分自身で確信しました。
その時の生徒さんの言葉です。「自分の個性をこんな風にして感じ、そして褒められたことは初めてです。」彼女は個性という抽象的な言葉を、自分の書いたお手本のない文字で感じることができたのです。人と比べることの無意味さを少し感じることができたのではないでしょうか。
11月に海部地区の教職員青年部の皆さんの前で講演があるのですが、このお話と味のある個性的な文字の書き方をお話しようと思っています。もちろん実践もまじえてね。
楽しみなんですが僕のいつもの癖でドキドキ緊張気味の今日この頃なんですよ。